ファクタリングは、個人事業主にとって資金調達の一つの手段として利用することができます。以下に、ファクタリングを利用する際のメリットとデメリットについて紹介します。

メリット

資金調達
ファクタリングを利用することで、売掛金や未収入金などを短期間でキャッシュフローに変換することができます。また個人事業主の資金調達に関して言うと、銀行などの機関は基本的に審査が厳しく、金額に関してもある一定以上を借り入れないことには相手にしてくれないような状況です。それに対しファクタリングは少額からでも利用できます。また誰が申し込んでも申込者に対する審査のようなものが無いので、ほぼ無審査となるのが特徴です。誰でも気軽に簡単に、尚且つ即日に資金調達ができます。この点が大きなメリットです。

短期間の支払い可能性
ファクタリングを利用することで、売上計上から数日で支払いを受けることができます。またファクタリングに関しては法整備が完備していますし、経済産業省も認める手法です。そういった安心感もあります。

負担軽減
ファクタリングを利用することで、請求書管理や支払い追跡などの業務負担を軽減することができます。ファクタリングとは、請求書の売却を意味します。またその金額の回収はすぐに受けられます。またその回収が未納となった場合、その負担はファクタリング会社が負うのが一般的です。その為利用者は請求書管理や支払いが履行されたかという点をチェックする必要が無くなりますので、負担軽減になります。

デメリット

費用
ファクタリングを利用するためには、手数料がかかります。また対面型の場合は、出張料などの経費も負担することになるのが一般的です。どっちの費用が大きいのかというと、それは金額にもよりますが、少額の場合は出張料の割合が高くなるのが特徴です。なので、少額の場合はネット完結型のファクタリング会社を利用することで、費用を抑えることが可能です。

信用リスク
ファクタリングを利用する際には、審査が通らないというリスクがあります。審査は請求先が審査されるため、利用者に対する信用リスクはありませんが、このリスクが発生すると、買い取ってもらえないことになります。どんな請求書でも必ず買い取るというわけではありませんので、この点は注意してください。

個人事業主がファクタリングを利用する際には、以下の注意点に留意する必要があります。

契約の内容の確認
ファクタリング会社との契約内容には、手数料や費用、売掛金の回収が不能となった場合、返金手続きなど、様々な項目が含まれています。個人事業主は、契約内容を十分に確認し、ご自身の財務状況や事業計画に合わせた契約条件を選択する必要があります。

信頼性の確認
ファクタリング会社を選定する際には、信頼性の高い会社を選ぶことが重要です。信頼性の高い会社であれば、個人事業主の売掛金を安心して譲渡することができます。信頼性の目安となるものとしては、営業歴、口コミ評判などがあります。中には変な会社も未だに存在するようなので、ホームページなどをチェックして、安全な会社かどうかを判断するように心がけましょう。

売掛金の債権譲渡に伴う注意点
ファクタリングでは、売掛金の債権を譲渡するため、譲渡に関する契約書を取り交わす必要があります。しかし、債権譲渡が不適切な方法で行われた場合、売掛金の転売や不正などの問題が発生する可能性があります。個人事業主は、契約書の条項を良く理解し、適切な方法で売掛金を譲渡する必要があります。

以上のように、個人事業主がファクタリングを利用する際には、契約内容や信頼性の確認、売掛金の債権譲渡に伴う注意点など、最低限注意するポイントがあります。これらを含め大事な事は基本的に契約書に書かれていますので、不明な点がないように、細部まで確認する、不明な点はファクタリング会社に問い合わせるといった事が重要です。

ファクタリングを利用する際は、必ず手数料がかかります。この手数料ですが、基本的に安いに越したことはありません。例えば金券ショップで金券を売却する際は、１円でも高いお店に売ることを選ぶと思いますが、それと同じです。
お持ちの請求書をいかに高く買い取ってもらうことができるか？それが自分の損得につながるからです。
その為にすることは、複数の会社に見積もりをとり、一番安いところを選択することになります。
ここでは、手数料が安いファクタリング会社を個人事業主におすすめする理由や注意点を紹介します。

1.コスト削減
手数料が安いファクタリング会社を選ぶことで、売掛金の現金化にかかる費用を削減できます。手数料が高い場合は、売上高に対して大きな負担となる可能性があります。安い手数料を提供している会社を選ぶことで、事業のコストを抑えることができます。

2.取引先との関係
ファクタリングを利用する場合、個人事業主は自身の取引先にファクタリングの利用を通知する場合があります。これは契約によりどうするかを個人事業主側で選択することができます。この際に取引先に通知するとした場合、手数料が高くなるにつれて、取引先からファクタリングに対して疑問を持たれる可能性が高くなります。そんなに現金が必要なのかと思われてしまうからです。そういうことを考慮すると、手数料が安いファクタリング会社を選んだ方が、このような際に話をしやすくなります。

3.総合的なサービス
手数料が安いファクタリング会社でも、その他のサービスや条件も考慮する必要があります。たとえば、迅速な資金の入金、手数料以外にかかる費用の有無、顧客サポートなどが含まれます。手数料だけでなく、会社の総合的なサービスや利便性も比較検討することが重要です。

ただし、手数料が安いファクタリング会社を選ぶ際には注意点もあります。安い手数料の裏には、別途で追加で費用がかかるケースがあったりする会社もあります。事前に見積もりをとり、総額でいくらかかるのかを確認の上、ファクタリング会社を選定することが重要です。

ファクタリングをご検討中の個人事業主様から寄せられる、代表的なご質問とその回答をまとめました。

・ファクタリングの手数料はどのくらいかかりますか？

手数料は、ファクタリングの種類（2社間・3社間）、売掛先（取引先）の信用力、売掛金の金額、利用するファクタリング会社によって大きく変動します。
一般的に、手数料の相場は以下のようになっていますが、あくまで目安です。

2社間ファクタリングは売掛金額の5%～20%程度
3社間ファクタリングは売掛金額の1%～9%程度
3社間ファクタリングは、売掛先の承諾を得るため手続きが増えますが、ファクタリング会社にとって未回収リスクが低減されるため、手数料が低く設定される傾向にあります。
正確な手数料は、個別の審査・見積もりによって決定されます。また各ファクタリング会社により異なりますので、複数社に見積もりをとり、見積もりを比較するのがおすすめです。

・どのような個人事業主でもファクタリングを利用できますか？

法人（企業）に対する売掛債権（請求書）をお持ちの個人事業主の方であれば、基本的に利用対象となります。
ただし、ファクタリング会社によっては、以下のような独自の審査基準を設けている場合があります。

売掛先の信用状況（最も重要視される点です）
対象となる売掛債権の種類や発生経緯
申込者の事業継続性
必要な提出書類の有無
重要なのは「信頼性の高い売掛債権」が存在することであり、すべての個人事業主の方が無条件で利用できるわけではありません。まずはファクタリング会社に相談してみることをお勧めします。

・審査にはどのくらいの時間がかかりますか？

審査時間は、ファクタリング会社、申込方法（オンライン、対面など）、提出書類の準備状況、ファクタリングの種類によって異なります。

オンライン完結型の場合は最短で即日～1営業日程度
一般的な場合は、数時間～数営業日程度
売掛先への通知・承諾が不要な「2社間ファクタリング」の方が、手続きが少ないため「3社間ファクタリング」よりも審査・入金までの時間が短い傾向があります。

・契約期間はどのようになっていますか？

ファクタリングは、特定の売掛債権を売却（譲渡）する契約であり、融資のような長期的な「契約期間」という考え方は一般的ではありません。
基本的には、対象となる売掛金の支払い期日までが、実質的な契約の効力が及ぶ期間となります。多くは、個別の売掛債権ごとに行う「スポット契約」です。
ただし、継続的な取引を前提とした契約形態（複数の請求書を継続的に買い取るなど）を提供しているファクタリング会社もあります。

・売掛金があれば、信用履歴が悪くても利用できますか？

はい、利用できる可能性は十分にあります。
ファクタリングの審査で最も重視されるのは、申込者（個人事業主）自身の信用情報よりも、売掛先（取引先企業）の支払い能力や信用力です。
そのため、過去の延滞履歴など、ご自身の信用情報に不安がある場合でも、売掛先の信用が高ければファクタリングを利用できるケースは多いです。
ただし、申込者自身が反社会的勢力との関わりがある、または現在進行形で深刻な信用問題（例、破産手続き中など）を抱えている場合は、審査に通らない可能性が高まります。

・担保は必要ですか？

原則として、ファクタリングの利用に担保や保証人は必要ありません。
売却する売掛債権そのものが、ファクタリング会社にとっての債権回収の裏付けとなるためです。これは、不動産担保などを要求されることが多い事業融資との大きな違いの一つです。

・2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いは何ですか？

両者の主な違いは、「契約に関与する当事者の数」と「売掛先への通知・承諾の有無」です。

2社間ファクタリング

当事者、申込者（個人事業主）とファクタリング会社の2社。
特徴、売掛先（取引先）にはファクタリング利用の事実を通知せず、承諾も得ません。資金調達していることを取引先に知られたくない場合に適しています。
流れ、①申込者とファクタリング会社で契約 → ②ファクタリング会社から申込者へ買取代金支払い → ③期日通り売掛先から申込者へ売掛金入金 → ④申込者からファクタリング会社へ回収した売掛金を送金。
手数料、3社間に比べて高くなる傾向があります。
スピード、手続きが少ないため、比較的早く資金化できます。

3社間ファクタリング

当事者、申込者（個人事業主）、ファクタリング会社、売掛先（取引先）の3社。
特徴、売掛先に対して、債権がファクタリング会社に譲渡されることを通知し、承諾を得ます。
流れ、①申込者とファクタリング会社で契約 → ②売掛先へ債権譲渡の通知・承諾手続き → ③ファクタリング会社から申込者へ買取代金支払い → ④期日通り売掛先からファクタリング会社へ直接売掛金入金。
手数料、2社間に比べて低くなる傾向があります。
スピード、売掛先の承諾が必要なため、2社間より時間がかかる場合があります。